繰延税金資産とは【スッキリ簡単!】②

こんにちは。

今回は繰延税金資産について、前回の続きです。


ちょっとだけムズカシくなってしまうかもしれませんが、興味のある方はがんばって読んでみてくださいね。

 

 

 

繰延税金資産①では、繰延税金資産とは「次回法人税を支払うときに〇〇円割引します」という、クーポン券だとお伝えしました。

 

しかし、クーポン券ですので、使用するためには条件があります。

その使用条件とは、ズバリ、「法人税を支払う事」です。

 

 

当たり前といえば当たり前です。
いくら法人税割引クーポン券を持っていようが、支払う法人税がなかったら割引もなにもないですよね。

 

 

そしてここが重要なのですが、法人税というものは「利益」に対して課税されるものだという事です。
(正確には所得ですが、ここでは利益として話を進めます。ツッコまないでくださいね^^・・・)

 

 

例えば会社の業績が悪化し損失を計上した場合、「利益」がありませんので、支払う法人税もありません。

 


法人税がありませんので繰延税金資産で法人税を割引しようにも、割引しようがありません。

例え繰延税金資産を1億円持っていても、支払う税金が1億円以上なければ、意味がないということです。

 

 

これは、場所が遠くて行くことの出来ないお店や、今後使う予定のないお店のクーポン券を持っているのと同じことです。

 

つまり、会社が今後利益を計上する見込みがなくなった場合、繰延税金資産の価値がなくなってしまうという事です。

 

 

この、会社が今後利益をどのくらい計上して、繰延税金資産をどのくらい計上できるかを、繰延税金資産の回収可能性といいます。

繰延税金資産の回収可能性が見込めない場合(=会社が利益を計上する見込みがない場合)、繰延税金資産の価値がなくなってしまいます。

 

こうなってしまったら、価値が無いわけですから、これを取崩して損失とするしかありません。

 

 

いつか利益を計上したときに使おうと思っていたクーポン券が、利益を計上する見込みが無くなったため、紙切れになってしまったという訳です。

これがいわゆる、繰延税金資産の取崩しといわれるものです。

 

 

多くの場合、会社が今期赤字を計上し、更に来期以降も赤字が継続する見込みの場合に繰延税金資産を取崩します。

そのため繰延税金資産の取崩しは、本業での赤字に加えて更に損失として上乗せされるため、泣きっ面にハチなんていわれています。

 

 

ただし、会社が赤字を計上したなら、すぐに繰延税金資産を取崩すかというと、そういう訳ではありません。


繰延税金資産を取崩すかどうかは、前述のとおり、あくまで将来の見込みで判断します。

 

 

例えば、何か偶発的な災害や事故でたまたま損失が発生したものの、今後の営業活動は以前どおりで利益も充分計上できると判断できる場合。

または、今期はたまたま業績が悪かったものの来期以降は回復が見込めるといった場合には、取り崩しは行いません。

 

今期ではなく、あくまで将来利益が計上できるかどうかで判断するわけです。

 

 

また、法人税率の変更により繰延税金資産を取崩して、損失を計上する場合もあります。

この場合は取崩しともいっては不可抗力であり、会社の将来の利益の見込み額とは関係ない事で、仕方のないことです。

 

繰延税金資産は法人税率で計上されているため、法人税の税率が低くなれば、クーポン券の金額も低くなるという訳です。

 

例えば、税率40%の場合、4000円で計上していたクーポン券が、税率30%になった場合には3000円になってしまうということです。

 

法人税率が下がれば、会社の税金負担は減りますが、計上している繰延税金資産がその分目減りしてしまい、損失となるわけです。

 

 

以上のように、繰延税金資産は、言葉自体がとっつき難く、難しいイメージがありますが、実はそんなに難解なものではありません。

 


会社が繰延税金資産関係でアクションを起こすのは、取崩すか、計上するかのどちらかです。

 

今まで繰延税金資産を計上していなかった会社が新たに計上した時は、将来において利益を計上する見込みがあると判断されたという事です。

 

 

逆に繰延税金資産を取崩したときは、将来において利益計上する見込みが無い又は、大きく利益が減るという判断が働いているという事です。

 

皆さんが株式を保有している会社は、繰延税金資産をどの位計上していますか。


将来の利益をしっかり見込んでいるか、それとも取崩して計上していないのか、機会があったら確認してみてくださいね。

 

 

ではでは、今回はこの辺で。

 

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